外壁塗装の劣化を気づいていながら放置すると悪影響が起こります。マメにメンテナンスできるくらいの修繕費用の蓄えがあれば良いですが、業者に依頼して行う塗装工事関連は費用が高く付きますのでできる限り先延ばししたい気持ちはわかります。
しかし建物の外壁は常に外で日照条件による紫外線や風雨という過酷な状況にさらされている為、どんどん劣化していくことは避けられません。ですので劣化を放置しているとさまざまな悪影響が出きてしまうのです。
外壁の劣化を放置した時に起こりやすくなる悪影響や、外壁劣化の防ぎ方をご紹介するので参考にして下さい。
外壁の劣化を放置していると起こる悪影響の具体例
劣化部分、破損箇所などできてから放置していると起こる8つの代表例を紹介していきます。その原因を理解して修繕への重要度や優先度なども知識として得ていきましょう。
防水効果が低下する
外壁があることで私たちは日照による紫外線や雨風や排気ガス、埃などから守られていますことになります。つまり、外壁はそれらの影響を毎日のように受けているのです。その結果、少しずつ外壁の耐久性は衰えていくことになります。
外壁の耐久性は壁の材質などの強度というよりは、塗装の被膜(塗膜)によって守られているので強い日照や風雨にさらされることで衰えていきますので、肝心の防水効果が下がっていき湿気や雨などが侵入しやすくなってしまうのです。
ヒビ割れが起こる
外壁に施されている塗装は、雨風や日光など様々な要因によって剥がれてきてしまいます。外壁に塗装されている塗料の環境は均一ではありません。隣家と接している面は狭ければ日光はあたりずらいとか、開放的な面があればその分、紫外線等の影響や風雨の影響を受けやすいなど箇所によって変わります。
特に日当たりがよく風雨も直接あたりやすい箇所などで外壁塗装が剥がれてくると、外壁の耐久性が下がる為、ヒビ割れが起こりやすくなります。特に地震が起こった時などに簡単にヒビ割れが起こりやすくなったりしますし、夏は湿気でゆるみ冬は乾燥で縮むという自然現象からもヒビ割れが起こりやすいことも理解できますよね。
外壁内部が劣化していく
外壁の耐久性が劣ってくることで起こるヒビ割れが原因で外壁内部が劣化していきます。ヒビ割れたところに雨や湿気、そして砂、ホコリ、苔等の汚れ等が入り込み外壁内部が腐食し、さらなる劣化を招くことになります。
そして外壁の劣化によって内部に湿気が入ると次のような悪影響が出てきます。
- 外壁の内部が腐食してしまう
外壁に内部が木材である場合、湿気が入り込むとどんどん腐食していくことになります。木材が腐食すると、その分耐久性も下がってしまうため外壁が崩れやすくなる結果となります。
- 家が傾いてしまう可能性も・・・
外壁の内部にある木材が腐食してくると家全体の耐久性も劣ってきます。
その結果、家が傾いてしまったり、地震が起きた時に倒壊しやすくなってしまったりする可能性が高くなるのです。
さらに、外壁にヒビ割れが起こると家に隙間ができることになりますし紫外線からの熱や冬場の冷気などを防ぐ効果が落ちたりしますし、破損が大きい場合は、その隙間から冷暖房による効果が逃げてしまう為光熱費が高くなってしまいます。
- コンクリートの耐久性も低下する
外壁にコンクリートが使われている場合、湿気によってセメントが中性化してしまいます。
その為、コンクリートが持つ強度が失われてしまい、耐久性が下がってしまうのです。
- 雨漏りしやすくなる
本来、雨風から家を守るのが外壁の役割ですが、ヒビ割れが起こってしまうと雨風の浸入を防げなくなってしまいます。
その結果、どんどん外壁や内部の耐久性が下がり、雨漏りなどを起こしやすくなってしまうのです。
- 症状に気付いた頃には手遅れの場合もある
外壁のヒビ割れが進行してしまったり、雨漏りが起こっていたりする場合、すでに外壁内部の腐食が深刻になっている可能性が高いです。
こうなると、外壁そのものを取り替えなければならなくなるため、高額な費用がかかってしまうことになります。そのようなことからも出来るなら定期的に外壁塗装を行っていれば費用もそこまでかかることなく、耐久性を維持していくことが出来るということになります。
外壁の劣化を防ぐ方法
つぎに、できることは限られますが外壁の劣化を防ぐ方法について紹介していきます。
季節に一度は水洗いをする
外壁に汚れが付着した状態を放置していると、塗装が剥がれやすくなり耐久性の低下につながります。そこで季節ごとに水洗いをするのをお勧めします。水洗いで落としきれない汚れには中性洗剤を使用すればOKです。高圧洗浄のホースなどを使い砂埃や苔など落とせるとベターです。
この時に、強く外壁をこすりすぎてしまうと、かえって塗装が剥がれて逆効果になってしまうこともあるので気を付けましょう。
風通しを良くしておく
庭などに草木が多かったり、雑木林になっていたりなどで風通しが悪いと外壁に湿気がこもりやすくなってしまいます。また、湿気が多い場所を好む苔も生えやすくなってしまう為、外壁の劣化を余計に早めてしまう可能性が高くなります。
定期的に庭の手入れをして、できるだけ風通しの良い環境をつくれるよう心がけましょう。隣家の幅が狭いとか物理的に無理なものは仕方ありませんが、手入れとかで風通しの改善ができるものは、やっておくべきです。
こまめに点検を行う
毎日、点検する必要はありませんが、月に一度くらいの頻度で目視で結構ですので点検できると良いでしょう。
点検内容は・・・
塗装が剥がれてないか?
ヒビ割れがないか?
等の簡単なチェックだけでも大丈夫です。
ハンマーで外壁を軽く叩いて、音を聴き比べる点検もお勧めです。ハンマーで軽く叩いてみて、音が軽い場所があれば、その内部が劣化している可能性があります。また、指先や手のひらで塗装面をさすってみて粉がつくようなら劣化している状況と判断できますので早めの塗装の塗替えを検討してください。
以上の事を意識しておくことで外壁が完全に劣化してしまう前に耐久性を保っていくことが出来ます。外壁が劣化し、内部まで悪影響が出てしまうと雨風を防ぐことが困難になるだけではなく、地震が起きた時の耐久性にも不安が出てきます。
いざというときに、自分や大切な家族たちの身を守る為にも、定期的に外壁塗装を行って耐久力を維持していくことが理想です。現実的に費用面等で塗装の塗り替えや外壁の修繕等難しいとはいえ、劣化を放置し続けると、余計に大きな修繕が必要になり費用的にもさらに増えるので気をつけましょう。