外壁は何色にする?【分類・見え方・汚れの目立ちやすさ・艶・調和】色選びの基本知識ガイド

外壁塗装工事の悩みとなるのが、実は外壁の色の選定です。

使用する塗料の色見本帳やカタログなどの小さなサンプルから大きな壁に塗った時のイメージをするのは難しく、実際のところ完全にサンプルのカラーのイメージ通りになるわけでもなく塗ってみなければ分からない部分もあると説明されることもあり本当に悩みになります。

イメージ通りに仕上がれば問題ありませんが、出来上がりを見てイメージと違ってしまえば取り返しがつきませんし、なんとなく後悔みたいな思いにもなっちゃいます。

そこで失敗しない外壁塗装の色選びの方法をご紹介します。

 

色についての基礎知識

外壁塗装の色を考える上で色についての基礎知識は不可欠です。

色は様々な要因によって見え方が大きく変わるため、選ぶ際には太陽光による影響や塗る面積の大小、下地の素材、周辺の景観などを考慮する必要があります。実際のところカラーサンプルでイメージしたものが仕上がりと違うと感じる人は多くいます。なるべくそういうことにならないようにするには、ご近所さんなどの外壁の色を見て回り、参考にしつつ業者さんにも一緒に見てもらうというのがベターだったりします。経験のある業者さんなら見せた外壁の色からどの塗料を使っているとか判断できることが多いです。

 

色の分類

色は「有彩色」と「無彩色」に分類されます。

有彩色は、赤・青・黄など色味を持った全ての色のことをいい、無彩色は、白・黒・灰色など色味を持たない色のことをいいます。

有彩色は色の三属性(色相・彩度・明度)を使って表し、無彩色は明度(明るさ・暗さ)のみで表すことになります。

トーンとは、明るい・暗い・鮮やか・くすんだ等の色の色調に、明度と彩度の両方を組み合わせ、直感的に色の印象を表したもののことをいいます。

 

色の見え方

色は、同じ面積でも大きさによって見え方が違うほか、下記のような見え方の違いがあります。

太陽光線による色褪せ、酸性雨や空気中の埃、塵等が要因となり、塗料が酸化し次第に色褪せてきますが、太陽光の紫外線によっても塗料との化学反応で色褪せが起きます。

したがって、塗装後の色を長持ちさせるには、紫外線に弱い原色に近い色を選ぶのは避けるのが無難でしょう。

 

汚れの目立ちやすさ

明るい色は、明度や彩度を落とした落ち着いた色と比べると、苔やカビ、雨染みなどの汚れが目立ちやすい傾向があります。

そして、白や黒は汚れが目立ちやすい色なので外壁にはあまり向いていません。

一般住宅の外壁は経年劣化と共に確実に汚れがついてしまううえ、塗装の力が失われつつある時期の方が長くなるので、汚れが目立ちにくい色を選ぶのが良いでしょう。

また、真っ赤や真っ青などの原色系の色は、経年劣化で色が薄くなってしまうことを考慮しなければなりません。

色が薄くなると、どうしても古びた感じに見えてしまうことから原色系の色はその傾向が顕著に表れますので気をつけて下さい。

 

艶について

塗料で表現できるのは色だけではなく、艶(光沢)によっても見え方が変わります。艶にも種類があります。

光沢度が70%以上の艶有り、それよりは光沢の低い7分艶、5分艶(半艶)、3分艶、艶消し(艶なし)の5種類が一般的です。

5分艶(半艶)の場合、色ムラが目立ちやすいです。色ムラ対策としては7分艶以上の塗料を選ぶか、艶消しの塗料を選ぶのが良いでしょう。

ただし、艶消しの塗料は艶有りよりも耐久性が低いので、対候性の良い樹脂塗料などを選ぶことをおすすめします。

 

塗料の意匠性や素地の材質感

色や艶の他に、仕上げパターンにも幅広い表現力があります。

材質や模様のパターンによって同じ色でも見え方が違ってくるので、テクスチャや模様塗りを考える際には注意しましょう。

 

光による見え方の違い

家の中で蛍光灯を点けている場所と、日光が降り注ぐ場所では色の見え方が違います。

また、晴れた日の建物の北側と南側でも降り注ぐ太陽光の違いにより色は違って見えてしまいます。

時間によっても太陽光線の色が変わり、色の見え方が違ってきますので、日中の建物の正面(見られることが多い外壁面)を基準に色を選ぶと良いでしょう。

 

街並みとの調和

街並みに調和する色選びも重要で、様々な色彩が雑然と入り乱れている状態は景観を損ねる為、住みやすい環境とは言い難くなってしまいます。外壁色に悩んでいる場合、周辺の色彩を調べて、違和感のない色選びをすると良いかと思います。

 

外壁塗装の色選びのセオリーとは

洋服の色とは違い、外壁の色はそう簡単に変えられるものではないため、色選びは慎重に行う必要があります。

とはいえ、具体的にどのようなことに気をつければ良いのかは漠然としており、よく分からない方も多いのではないでしょうか。

最も注意するのが面積効果です!!

面積効果とは、全く同じ色でも面積の大小による色の見え方のことを言います。

面積効果により、小さい面積は暗く見え、大きな面積では明るく見えるという特徴があります。

したがって、少し濃いめの色を選んでおくと最終的に広い面積に塗った時に明るく見えるので、イメージに近い色を選ぶことができるといえます。

サッシとドアとのマッチング

サッシ枠や玄関ドアは、それ自体がアルミで塗装できない場合がほとんどです。

このため、外壁塗装では既存の色(変えられない部分の色)とのマッチングを考えることがポイントになります。

具体的には、「サッシなどに上手く合う色を選ぶ」か「建物の形状を活かしてアクセントになる色を選ぶ」のが良いでしょう。

サッシなどに上手く合う色を選ぶ場合

通常、サッシの色は白か黒かブロンズのどれかに統一されていることが多いです。

白や黒の場合は無彩色のため、ある程度どんな色を選んでも合うのに対し、ブロンズの場合は焦げ茶色など同系色から選ぶと綺麗にまとまります。

建物の形状を活かしてアクセントになる色を選ぶ場合

例えばですが、基本的な外壁をベージュにして、ベランダなど飛び出している部分は焦げ茶にするなど、建物の凹凸を活かしてアクセントを入れるとお洒落にまとまります。

 

家の付帯部の色選びのコツ

外壁や屋根以外の部分である軒天、破風板、雨樋、ひさしなどを付帯部と言いますが、この部分にも気を遣わないと統一感や調和が損なわれる原因となります。

①軒天は白か薄めの色

軒天とは、軒下や軒天井のことを言いますが、他の部分との兼ね合いにもよりますが、軒天は白か外壁よりも薄い色にしておくのがセオリーです。

上から太陽光が当たるため、軒天は基本的に影になってしまい他の所より少し暗く見えることになります。

②雨樋はサッシか外壁と同じ色

雨樋をアクセントに使うのも良いのですが、基本的には外壁と同系色で溶け込ませるのが無難です。

ただし、白に塗ってしまうと劣化や汚れが目立つので注意が必要です。

③ひさしは屋根と同じ色

ひさしは端から見ると屋根のようなもので、屋根と色を揃えると統一感が出ます。

屋根でなく、サッシの色と合わせても綺麗にまとまります。

④雨戸はサッシと同じ色

雨戸は窓などのサッシと同じような色合いにすると統一感が出ます。

 

⑤破風板・鼻隠しは屋根に合わせる

破風板、鼻隠しに関しては、屋根の色に合わせるのが立体感も出るのでセオリーと言えますが、あえて、屋根とも外壁とも違う色にしてアクセントカラーにする場合もあります。

 

絶対に失敗しない外壁塗装の色選びのコツ

実際に外壁塗装の色選びをする際に、失敗しないコツは何なのか?基本的なセオリーは前途の通りですが、どうせなら好きな色を選んで外壁塗装を行ってください。

そこで、見落としがちな注意点とコツを簡単にまとめたので、参考にしてみて下さい。

落ち着いた色を選ぶ

参考にするのが、住宅メーカーなどに置いてある「外壁サンプル」で小さなサイズではありますが、仕上がった時の実際の質感や色合いを確認するのに便利です。

室内で見て決めるのではなく、必ず外壁と同じ環境状態である屋外で見て下さい。

ポイントとしては少し暗めの色を選ぶと良いでしょう。

近隣の家や街並みを見回ってから選ぶ

色選びの際に最初から○○色と決めつけるのではなく、○○系と少しぼかしながら色の雰囲気をイメージするのが良いでしょう。

イメージした色を意識しながら、家の周辺を散歩したりするのも良いでしょう。

また、周囲に木々などの植物がある場合は、植物の葉よりも抑えた色で緑を引き立たせるようにすると、すっきりとした印象になり、その環境に馴染みやすくなります。

色見本は必ずしも正確ではないことに注意

色選びをする際に日本塗料工業の発行した色見本帳を使う業者が多いですが、発行年度や版によって微妙に色が違う場合や、色褪せしやすい色も載っているので注意が必要です。

具体的に候補を数種類まで絞ることができたら、塗装店にお願いして大きいサイズ(A4以上)の色見本を作ってもらうのが大切です。

小さい面積で見るよりも大きい面積で見た方が良いので必ず行っておくべきでしょう。

大きめの色見本をもらったら、実際にそれを屋外の外壁に張ってみて、全体がその色だった場合を想像してみましょう。

朝、昼、夜と必ず時間帯毎に確認をして下さい。

試し塗りをしてもらう

大きめの色見本で色を決めることが出来たら、次は試し塗りをしてもらいましょう。

試し塗りは、実際にあなたの家の壁に候補の色を塗る作業になりますので、施工を依頼する業者を決めてからでないと難しいです。

試し塗りの際は1㎡以上の大きめの範囲でないと判断が出来ないと、きちんとその旨を伝え、また一昼夜以上、出来れば天気の良い日と悪い日も確認しましょう。

 

中塗り後に見え方を確認する

外壁は、下塗り→中塗り→上塗りというように、基本的には下塗り後に上塗り塗料を2回塗る工程になります。

そのため、中塗りを終えた後に飛散防止シートを1度外してもらって中を確認する方法もあります。

ただし、シートを外す手間があるので別料金がかかる可能性があります、そして、シートを1度外すのを想定していないと工程が延びてしまう恐れもあります。

ですので、中塗り後にチェックをしたい場合には施工前に業者に伝えておくと良いでしょう。

中塗り後に色の見え方の確認をするメリットとしては、どうしても気に入らなければ上塗り塗料を別な色に変えてもらう事が出来るというのが挙げられます。

しかし、同じ塗料の色違いである必要がありますし、中塗りの色が濃くて上塗りの色が薄い場合は色味が変わってしまう為、よく注意しましょう。

人気の外壁色ランキング

戸建て住宅に住む人たちの間で、現在人気のある外壁色ベスト3は下記のとおりです。

1位:ベージュ

暖かく優しい色合いが持ち味のベージュは、住む人の年齢や性別を選ばないため、とても使いやすい色として人気です。

落ち着いた雰囲気にしたい場合は濃いめのベージュを選べば間違いないでしょう。

2位:焦げ茶色

濃いブラウンは黒よりも優しいイメージながらしっかりと主張してくれるので、焦げ茶色一色での塗装の他、ベージュなどと合わせてツートンカラーで使う方も増えています。

シンプルでナチュラルなテイストや、モダンな雰囲気を出すのに、とても人気の高い色となっています。

3位:グレー

濃淡を調節することで、白、黒、ブロンズ系のどのサッシにも合わせやすく、モダンな雰囲気を出すことができ、かつ汚れの目立ちにくいグレーも人気です。

 

外壁の色は選び方次第で家の印象を大きく変えてしまう為、納得いく色を選ぶことと、経年劣化も視野に入れて許容できる色なのかをきちんと考慮したうえで判断するのが大切です。

 

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